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アニマトロニクスプロジェクト

生首を作ってみる


駆動系について

さて、最近ご無沙汰でしたがまたまた始まりました実践編の第4弾です。いままではスタンプPICを使って従来あるようなものを作っていましたが、今度は趣向をがらりと変えてPCからコントロールする生首です。ちなみにアニマトロニクスとは人形をワイヤーまたはコンピュータで動かす分野で、SFX映画などでよく使われるテクニックです。生首ですから稼動部分は当然”顔”のみ、ということで表情が中心となります。原動力で考えられるのは

1、エアシリンダを使う
2、コンプレッサーで、空気でなんとかする
3、マッスルワイヤーを使う
4、RCサーボを使ってワイヤー駆動

といった感じですが、制御が簡単ということで4番のRCサーボを使う予定です。本当は音が出ないというメリットを生かし、マッスルワイヤーでやりたかったのですが、

1、マッスルワイヤーの動作温度が90度と高く、皮膚が溶けるおそれがある
2、引っ張り力が弱いので束ねる必要がある=金がかかる
3、駆動回路を作るのがめんどう(PC→232C回路→電流増幅回路)

ということでボツになりました。RCサーボは前回はスタンプの機能を使って非常に簡単なプログラム(実質的には3行ぐらい)で制御できましたが、今回は表情ということで複雑な動きが要求されるためにPCでシーケンシャルに制御できるようなプログラムを作ります。また、一番重要な”皮膚”については新たな試みのフォームラテックスで...と行きたいところですが、フォームラテックスはきれいに作るのが非常に大変なため、(90℃ぐらいのオーブンも必要)今回もマスクラテックスでお手軽に作ります。見た目的に一番重要な原型はヒカルも私も得意分野ではないので(マスクメーカーのアーノルドも作るのは怪物系ばかり)なにかから型をとるしかない状態です。
<今回の構成>
図Ex4-1
 
 

皮膚の作成

とりあえず前回の要領でマスクラテックスを使用した顔の皮膚を作ってみました。しかし、出来あがってから気がついたのですが、土台が無いためゴムがふにゃふにゃしてしまいこのままでは使えそうも無いことがわかりました。とり合えず経過を報告しますと...

1)ねんどで原型をつくる
図Ex4-2
SFXのコーナーでは油ねんどでマスクを作っています。私も始めは油ねんどで原型を作ったのですが、どうもうまく行かず、いろいろ試した結果、塑像用の土ねんどが簡単に造形が出来たのでそれを使いました。但し、これは後でわかったのですが石膏型→マスクラテックスの場合は原型は油ねんどの方が皮膚の出来あがりがスムーズ(土はざらついているため)になります。また、土ねんどの場合は石膏型の内側がざらついてしまい、何回も型抜きするとだんだんと石膏自体がはがれてくる現象が起きました。今回は試作(あたりまえだ)なので何回も型抜きすることが予想され、別な原型を作るハメになりそうです。ちなみに左側は顔面用で右側は後頭部用です。

2)石膏型をつくる
図Ex4-3
原型が出来たら油ねんどで囲いを作り石膏を流し込みます。これは前回と同じ。鼻の穴、口の周りには気泡が入りやすいので注意してください。(鼻の穴に気泡が入ると鼻からなんか出ている顔になってしまいます。)出来ればこの部分はハケなどで盛っていくのが良いでしょう。今回はセット時間が10分ぐらいの吉野石膏の鑑識用焼き石膏を使ったのですがハケでちんたらぬっていたら途中で容器の中で固まってしまいました。要注意!

3)石膏型を水で洗う
図Ex4-4
今回、土ねんどで原型を作ったためにねんど原型がきれいにはがれず、石膏型の中にねんどがくっついてしまいました。これをきれいに水で洗います。石膏は一度固まると水につけても形は損なわれません。油ねんどで原型を作った場合は洗剤で洗って油分をとりましょう。この後、石膏型を乾かします。オーブントースターなどで焼くと渇きが早くなります。 食器乾燥機という手もあります。

4)ラテックスを流し込む
図Ex4-5
石膏が乾いたらマスクラテックス(今回はL5000)を型に流し込み数分待ちます。この待ち時間で皮膚の厚さが変わり、長いほど厚くなります。その後、中のラテックスを容器に戻します。上の写真はラテックスを戻した後の状態です。通常の頭にかぶるマスクを作るときは10分ぐらい待ち、さらに 少し乾いてからもう一度注ぎ...を4〜5回行い分厚いゴムの層を作るのですが、今回は動かすために薄いほうがいいので一回で終わらせます。また、乾燥中は上の写真のような状態(石膏型が上を向いている)だと壁面のラテックスが垂れて目・鼻・ほおの部分に溜まり、その部分が厚くなってしまうのでひっくり返したほうが(かつ風通しよく)良いでしょう。

5)皮膚の完成
図Ex4-6
ゴムが乾いたらそっとはがします。これで皮膚の完成です。机とかに置くとふにゃっとしてしまうため、写真ではコルクボードに刺してます。


皮膚のまとめ

と、ここまでやりましたが、これは結局採用しないことになりました(だったら書くな!)。出来あがってからいろいろと実験したのですが、やはりこの皮膚より若干小さい枠がないと表情を動かしずらいことに気がついたのです。メカニックといろいろ相談した結果、「骨がないとねー」ということになり、だったらガイコツの模型にねんどを盛って原型をつくり、そのガイコツをプラットホームにしては?との案が出て、とりあえずガイコツ探しということになりました。なんかターミネーターにみたいになってきましたねー。

RCサーボの制御用モジュール

さて、気分を変えてモーター駆動の話です。はじめの方の図でSSC2コントローラというのがありましたが、これはパソコンから232Cデータを送ると、8個のコネクタ端子からRCサーボ用のパルスを発生させるというものです。
図Ex4-7
電源は9V電池で、他にRCモータ用の電池が必要になります。このモジュールはPCから2バイト×3個のデータを受け取ります。データは始めに255(十進数)を送り、次にサーボ番号(0〜254)、最後に角度を指定する数値(0〜254)を送ります。するとこのモジュールは指定された端子からその角度に合ったパルスを発生し、RCサーボが動くという便利なヤツなのです。RCサーボの動作原理は前回も少し説明してますが、あるパルスの幅を入力すると−45〜+45°または−90〜+90°動くというものです。これについては「吉野のロボット」さんのページに詳しく載っています。「サーボ番号が0〜254になってるけど端子は8本しかないんじゃないの?」という方もいると思いますが、デフォルトではこのモジュールは0〜7番に割り当てられ、ジャンパーピンで8〜15番へも設定可能です。つまり、これが2個あれば0〜15番が使え、16個のRCサーボが駆動できます。16〜254は工場出荷時にその番号が割り当てられるので特注となり価格が高くなってしまいます(納期もかかる)。今週からはこのモジュールを試しに使ってみましょう。
それではこのSSC2を使ってみましょう。まだPCから制御するソフトが出来ていないので、とりあえずSTAMPマイコンで実験してみます。接続は下記の通りになります。

図Ex4-8
これが実験の構成です。SSC2へは9V電池とサーボ用の電池を使いますスタンプの構成はロボット作成教室の実践編の初めのヤツを参照願います。ラジコンは通常ニッカド電池を使うと思うのですが、今回はアルカリ電池を使っています。RCサーボは4.8〜6Vで動作します。下記がSSC2を拡大したところです。

図Ex4-9
通信はシリアルの線とGNDの2つの線のみで行っています。右から出ている黄色い2本の線がそうです。今回は通信線をSTAMPのポート1へ、GNDをSTAMPのVss(STAMPのGND)につないでいます。右の黒い大きなものはテレフォンジャックで、このコネクタを使っても通信が出来ます。写真ではテレホンジャックに端子が4つついているように見えますが、実際には2本しかつながっていません。サーボへの電源もSSC2から供給するため、SSC2に4.8〜6Vの電池をつなぎます。私はサーボ用の電池に通常のマンガン電池(一番安いヤツ)を使ってみたのですが、電圧をみると1.5V×4=6Vのハズなのに2.5Vしか出ていなくてサーボが動きませんでした。アルカリ電池に変えたらOKでした。サーボへ出ている線は3本あり、赤と黒は電源、黄色は制御用です。通常RCサーボを買うと赤・黒の線プラス別な色が出ているのですぐわかります。この写真ではサーボをSSC2の0番チャンネルにつないでいます。通信データを受け取っているときは緑色のLEDが点灯します。実験のプログラムは下記の通りです。
図Ex4-10
プログラムの詳細については12)P-BASIC プログラミングを参照願います。$4054は9600bps、8ビット、ノンパリの設定をする定数です。serout命令で指定したポートから[]で囲まれたデータ配列を送っています。SSC2にデータを送るにはまず255を送り、次にサーボのチャンネル番号、データを送ります。上のプログラムではデータ0を送った後一秒待ち、データ254を送ってからまた一秒待って、これを繰り返しています。つまり最小値と最大値を一秒ごとに送っているわけです。SSC2の設定用ジャンパーピンでサーボの角度を−45〜+45または−90〜+90°に設定できますが、今回は−90〜+90の方に設定してますので、このプログラムでは一秒ごとに180°角度を変えることになります。 それでは動かしてみましょう。

図Ex4-11
画像はJPGを無理やりインデックスカラーにしたので色がおかしいですが、動いている感じはつかめると思います。
次回からはPCのプログラミングが終了してからアップする予定です。(月末ぐらいかな〜)
2000年6月16日

PCからのシーケンス制御

大変お待たせしました。次はPCからシーケンシャルに駆動するソフトウェアです。
ようは前回やったことをPCで行い、さらにシーケンス制御をするエディタを追加したものをPCで組みました。ソフトはBorlandC++Builder4を使い、Windows上で動かします。BCB4(BorlandC++Builder4)は教育版で16,000円ぐらいです。また、RS232C通信の部分はWindowsのAPIとかを使わなくてはならず、かなり面倒なのでシェアウェアの「通信君CP」を使っています。これはベクターのシェアレジ(作品番号SR015336)で600円で買えます。で、出来たのが下のようなソフトです。
図Ex4-12

まだ完成とは行かないのですが、予定していた機能はあります。まず、回線オープンボタンを押して232Cポート(COMポート)をオープンさせ、トラックバーをマウスで動かすとそれにあったサーボ番号のサーボが動きます。SSC2の設定を−90°から+90°に設定(SSC2上のジャンパで設定)したとするとトラックバーのつまみが左いっぱいで−90°、右いっぱいで+90°の180°を制御できます。位置が決まったら「記録」ボタンを押すとその位置が記録され、下の表に表示されます。この時待ち時間を設定でき、ms単位で時間を指定すると次のステップまでなにも動作をしません。サーボの回転速度はものによってスピードが違うので、あまり短い待ち時間を入れるとサーボが回りきらないうちに次の信号が入り次の動作に移ってしまいます。再度位置決めをし、「記録」ボタンでシーケンスを作っていきます。「実行」ボタンを押すと表のステップ1から最後(マイナスの数値がくるまで、というプログラムになっています。今のところ)までを順に実行していきます。
プログラム上での注意点ですが、SSC2はサーボへ制御用の信号として1msから3ms幅のパルスを作ります。データを送るときにこの時間よりも短い間隔でデータを送るとSSC2の方で対応できないようなのでデータを送る間隔に注意します。上のプログラムの例でいうと、各ステップで「255」「0(サーボ番号)」「位置データ」、「255」「1(サーボ番号)」「位置データ」、「255」「2(サーボ番号)」「位置データ」...と16回のループを使いサーボ#0〜15に指令を送るのですが、この各サーボに送る間に5msの待ち時間を設定しています。そうしないとSSC2側で処理が追いつかないようです。また、原因はSSC2の動作速度だと思うのですが、9600bpsでシーケンスデータを送ると途中でコケることがありました。2400bpsで送ると問題ありません。
図Ex4-13
今回、5msのウェイトにはSleep()関数、指定した待ち時間にはGetTickCount()関数を使っています。Sleepは単純に指定した時間分なにもしないもので、GetTickcountはWindowsを起動してからの時間をms単位で取得する関数です。取得した値が設定した値以内の差かどうかを監視し、時間を測定します。GetTick〜はBCB特有のものだと思いますので他の言語で似たようなことをやる場合は他の方法を使ってください。
上の例では#4〜#7にサーボをつなぎ、5ステップを自動で動かすデータを作りました。#8〜#15を使う場合はSSC2上のジャンパ設定でそのように設定します。SSC2が2個あれば一本の通信線で#0〜#15の16個を動かすことが出来ます。
接続ですが、
図Ex4-14(クロスケーブルでの接続)
通常の232Cケーブルで良いのですが、クロスケーブルとストレートケーブルでは接続するピンが違います。SSC2のGND(SinのG)をピン5につなぐのは共通ですが、クロスケーブルの場合は写真のように送信線(SinのS)をピン2につなぎます。ストレートケーブルの場合は送信線をそのとなりのピン3につなぎます。PC側は空いているCOMポートにつなぎます。
これで駆動部は一通り完成しました。上記のWindowsのソフトについては一回でも通信がコケると回線がオープンになりっぱなしになるとか、COMポートの設定のところが出来てないとかでまだ世の中に出せるものではないのですが、そのへんをクリアーしたらSSC2にバンドルしたいと思います。ソースはBCBを持っているひとじゃないと意味がないのでここでは公開は致しません。Mac版はMacを持っていないので作る予定はありません。作ってくれる人がいればSSC2サービスしますのでメール下さい。


PCからのシーケンス制御(その2)

さて、駆動部が出来たのでやっと顔を動かして...と思ったのですが、まだ顔のフレームが出来ていないので別なものにRCサーボを入れて実験してみます。
4月におもちゃショーが開かれましたが、そのときにはガンプラで動くものが出ていました。ということで一番小さいRCサーボでガンプラを動かしてみました。
図Ex4-15
1/100モデルが大きさ的に手ごろだったので旧ザク1/100を買って仮組みします。なんでこれだったか、は安かったからです。しかし、後で後悔したのですがもっと大きいものの方が作りやすいです。
図Ex4-16
@:この大きさだと小さいRCサーボ(@のちいさいほう。大きいほうはRCカーで一般的によく使われるやつ。)が上半身に3つ入ります。
B:RCサーボを買うとBの白い部分のようなジョイントが数個ついてきますので一番ちいさいものを頭に付けました。
C:これをRCサーボに取りつけてみます。工作時に付けたり取ったりすることが考えられるのでRCサーボには接着はしません。但し、白いジョイントとRCサーボとはギアが切ってあり、これをはめ込むのでこのまま動かしてもちゃんと動きます。
D:同様に両腕にも取り付けました。この大きさではここまでが限界かと思いますので、他の部分はとりあえず省略します。
図Ex4-17
余分なパーツを取り外し、胴体のじゃまな部分をカットします。その後、Dで作った頭と両腕を取りつけました。RCサーボを3つ入れてもまだ余裕がありそうです。腰の部分にも入れて足も動かすことも出来そうですがとりあえず今回はここまでとします。足に入れてもRCサーボ2個が限界なので、バタバタさせるだけですけど...
図Ex4-18
飾りのパーツを付けて、配線をしたところです。RCサーボに付いていたケーブルでは短いので延長ケーブルをラジコン屋で買って伸ばしています。SSC2から出ている黄色い線は横にあるPCにつながっています。
ということで動かしてみましょう。出来るのは首を左右に動かすのと、手を前後に動かすだけです。もっとでかいものだったらサーボをたくさん入れて複雑な動作をさせることも可能です。
ここを押すと重ーいGIFに飛びますので注意!図Ex4-19
上の写真をクリックすると動いているGIFに飛びます。が、重いです。アニメーションGIFで1MBあります。(あー早くデジタルビデオ買わないと...)
それでなんなんだ?とか言わないで下さい。ちょっとあそんでみただけです。早くアニマトロニクスやれって?そうですねー、こんなことをしている場合ではない!!ということで次回はようやく「顔を動かす」です。アップの予定は...わかりません。

2000年7月22日

顔の製作(フォームラテックス、FRPによる皮と骨の作成)

ようやく顔の製作に入ります。いろいろ検討した結果、今回はフォームラテックスを使うことにしました。これは特殊メイクでよく使うもので、スポンジのような柔らかいものが出来ます。厚みがあり、かつ、柔らかいものが作れるのでトルクの無いモータで動かすのにちょうどいいものです。

図Ex4-20
まず、 原型を作ります。前回、液体ラテックスでやったときは造形用ねんど(土ねんど)をつかったのですが、ラテックス系は造形用油ねんどの方が相性が良いようです。油ねんどで作ると型からのはがれが良いように感じますので油ねんどで作りました。石膏で型を取るところまでは同じですが、フォームラテックスは厚みを作れるので原型から作った凹型にねんどを付けます(写真中央)。均一に盛りつけますが、目・頬・口の周りは可動させるので薄めに付けます。このねんどの厚みが顔の皮膚の厚みになります。この後、石膏を流し込んで凸形を作ります(写真右)。石膏が固まり始まる前に凸型の中央部を掻き出しておきます。こうすることで石膏型の厚みが薄くなり、乾燥が速まります。この凸型は皮膚の下の骨の原型になります。凹凸型が出来たら良く乾燥させます。

図Ex4-21
凸型を使い、骨をFRPで作ります。モールド用シリコンを使い凸型の型をとります。まず、シリコンに計量した硬化材を混ぜ(写真左)、凸型にシリコンスプレー(離型材)を吹き付け(写真中央)、型取ります。写真右の左側が凸型からつくったシリコン型になります。シリコンで作った型はやわらかいのでアンダーカットがあっても簡単に取り外せることが出来、FRPのような硬いものを作ることに向いている型材料です。

図Ex4-22
シリコン型にFRP離型材を塗り、細かく切ったガラスクロスとFRPを貼り付けていきます。貼りつけるところの写真を撮るのを忘れてしまいましたが、実践編の他のコーナーでやっているので参照してください。

図Ex4-23
いよいよフォームラテックスです。通常、フォームラテックスは3〜5液を混ぜて作るものがあります。今回は4液タイプで、本体・発泡材・硬化材などに分かれています。取り扱い説明にしたがって計量し、調合していきます(写真左)。ボウルに主液と発泡材を入れ、ミキサーで泡立てます(写真中央)。このミキサーは通常の調理用のものでOKです。その後、硬化材を入れ、作っておいた凹型に流し込み、すばやく凸型をかぶせます(写真右)。色をつけたい場合は硬化材を入れる前に水性絵の具で着色します。硬化材を入れると1分ぐらいで硬化が始まるので作業をすばやく行います。

図Ex4-24
凸型をよく押しこみ、そのまま数分待って安定させます。その後オーブンで石膏型ごと焼きます(写真左)。焼く温度、時間は大きさで変わってきます。特殊メイクなどで顔などに貼るものを作る場合は形が平らで乾きやすいので90℃から100℃で1〜2時間焼きますが、今回は深い型で乾燥が遅いことが考えられたので80℃〜90℃で4時間焼きました。焼いているときに乾燥具合をチェックし、状態を確認します。写真中央のように外に漏れているフォームラテックスを指で押して、戻らないようなら大体OKです。写真では指で押した後が戻らないのでまだ乾燥が足りません。また、石膏が湿っぽい感じがしたらまだ中が乾いていない証拠です。但し、あまり焼きすぎるとフォームラテックスが焦げたり、溶けて石膏型に貼りついてしまうので注意してください。焼きあがったら写真右のようにベビーパウダーをふりながらはがしていきます。出来あがったばかりのフォームラテックスはべたつくので皮同士貼りついてしまうことがあります。ベビーパウダーは必須です。

図Ex4-25
これで骨と皮が完成しました。写真左の骨は機構の問題で一度作りなおしています。青いものがFRP製の骨です。可動部分を眼球(左右方向)・まぶた(左右独立)・口(開閉)・ほお(笑う)にしました。ということで骨の余分な部分をカットします(写真左)。目玉は20mmのものを使っています。ちなみに顔(皮)の大きさは約14cmです。1/2スケール弱といったところでしょうか。

図Ex4-26
口の部分はちょうつがいにします。口を閉めた状態にしておくためにゴムひもを内側に貼りつけています(写真左)。接着はホットボンドを使っています。異種な材料をデコボコしたところに接着するのに重宝しますし、作業も早く進められます。 ちょうつがい部分にはアルミ、リベット、ネジを使いました(写真右)。

図Ex4-27
眼球は左右同時方向を向くので裏側をジョイントで結びます(写真左)。今回は左右方向にしか動かさない(縦方向もやると時間がかかりそうだったため)ので目玉の上下に穴をあけて棒を通し、骨に固定します。上下左右に目玉を動かすときは、シリコンなどを使い、トラックボールのマウントのようなものを作るのですが時間かかります。

図Ex4-28
さらにまぶたをつけました(写真左)。こめかみのところで固定し、後ろの棒を上に引っ張るとまぶたが閉じます。これもゴムでテンションをかけています。本当は骨の外側(つまり皮との間)に可動部分が無いほうが良いのですが、時間の関係で簡単な作りになってしまいました。もうすこしましな方法としては眼球の左右にも穴を開けてまぶたを開閉できるようにするとコンパクトな作りになります。
とりあえず皮をかぶせてみました(写真右)。今回はここまでで力つきました。スイマセン。この後はほおのところ(笑う筋肉)を含むワイヤー関係を配置し、眉毛書いて、まぶたにマツゲつけたら造形部分は完成、というかその後はRCサーボとつなぐだけなのでもうちょいです。

2000年8月15日


駆動ワイヤーの取りつけ

秋葉原にロボコン館が出来たり、SONYがアイボの2代目を出したりと時代は流れていくのですが時間が止まっているのはこのページ。ということで再開なのですが、とりあえず顔に眉が無いのは怖いので眉と口を書きました。
図Ex4-31

図Ex-32
次は笑う部分です。口の両端を引っ張ればそれらしい表情になりますのでこの部分を動かします。
(左):ワイヤーで駆動させます。ワイヤーはラジコン飛行機用のワイヤーを使いました。ワイヤーの先を結び、厚紙を二つ折りにしたものをボットボンドで接着します。ワイヤーはチューブに通しておきます。
(中):ワイヤーの先につけた厚紙の部分を口の両端に貼りつけます。また、骨の部分にぶつかるところがあったのでハサミで切り取っています。このフォームラテックスの顔は小さいので小さい眉毛切りバサミを使いました。
(右):フォームラテックスへの接着にはゴム用ボンドを使いました。

図Ex-33
チューブは骨の方へ接着します。接着にはホットボンドを使用しました。

図Ex-34
次は口の可動部分です。
(左):ワイヤーを通す穴を2箇所開けます。
(中):笑う部分と同じ仕掛けを厚紙、ワイヤー、チューブで作り、ワイヤーの先端をあごに固定します。写真はホットボンドをつけているところです。
(右):首の部分にチューブを固定します。これでワイヤーを引っ張ると口が開くようになります。戻すときはゴムでテンションが掛かっているのでワイヤーを戻すと自然に口は閉じます。


図Ex4-35
まぶたの金具にワイヤーを取りつけました。ちょっとわかりづらいかもしれませんが、金具(針金)の先端にホットボンドでワイヤーを取りつけます。

図Ex4-36
さて、とうとうモーターとの接続です。ワイヤーの反対側をRCサーボへ取りつけます。取りつけにはチューブとサーボの間隔を一定に保たなければならないため、上図のような金具をアルミで作りました。L字に切って曲げて穴を3コあけただけです。チューブの取りつけにはホットボンドを使いました。ほんとこれって便利ですね。
(左上)チューブを取りつけたところ
(右上)ワイヤーの先を結びます。折れているのはあらかじめサーボと距離を測って印のためにおってあります。
(左下)そのワイヤーを短く切ったチューブ(ラジコン飛行機用のワイヤーを買うと付いてきます)に通し、サーボの円盤に通し、またチューブに通し結び目がチューブから出るようにし、チューブをラジオペンチでつぶします。この取り付け方はラジコン飛行機と同じです。
(右下)サーボへはネジ止めします。もし、ワイヤーとサーボの位置を調整したいときはネジ穴を開けなおして調整します。サーボの円盤が中心位置に来たときにワイヤーがピンと張るように調整します。買った状態が中心位置にきていない場合もありますのでこの取りつけ前にはサーボとサーボコントローラモジュールをつないで中心位置に戻しておきましょう。

図Ex4-37
さっそく動かしてみましょう。前出のシーケンス制御ソフトを立ち上げて右目を動かしてみました。マウスでサーボ位置を変えてやると右目が閉じます。ワイヤーをつないで手でワイヤーを動かした時は結構力が必要だったのですが、RCサーボは結構トルクが有るため、マウスの動きに遅れることなく動作しました。

図Ex4-38
皮膚をかぶせるとこんな感じです。
次は全部の可動部にRCサーボをつなげます。

2000年11月9日


図Ex4-39
最初の方でサーボを8個としましたが、やっぱり5個にします(なぜかというと...)。まぶた×2、ほお×2、口×1です。

図Ex4-40
皮をかぶせて動かしてみましたが、笑うところが上手く行かず、作りなおしになりました。前回は皮膚にワイヤーを貼りつけていましたが、点でつけていた為、一点しか動かず、笑っているようには見えなかったのでプラ棒とピアノ線で新しいパーツを作りました。サーボを動かすと頬から出たピアノ線が広がるしくみになっています。


完成

ついに完成致しました。いやー、長い道のりだった(でも実際に作ってた時間は短いだろう!コラ)。ということで可動部分が8から5になった以外は予定通りに動きました。(こういうのは予定通りと言いません)

図Ex4-41
右目

図Ex4-42
左目

図Ex4-43


図Ex4-44
笑う(?)
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